総代の発言(要旨)


医療制度改革の真の姿−医療を民間保険会社の商売の対象に
入部史郎(大田病院)

 衆議院で強行採決された医療改革関連法案では高齢者の一部負担金が1割の人は2割へ、2割の人は3割へ引き上げられようとしている。あと、保険料のとりはぐれがないように、年金からとってしまおうということも盛り込まれている。もうひとつは療養病棟の削減と、混合診療の導入。すでに今年4月の診療報酬改定で医療法改悪の先取りがされている。国が負担する医療費の削減が第一です。重要視された部分もあるが全面的に削減されたのが慢性期の医療。
 とりわけ療養に関わる部分は全面的に削減され、大田区近辺で療養病棟だけもっている病院は経営が成り立たない状況になっている。さらには医療の要求に民間の保険会社が食らいついていく、商売の対象にしていくというのが医療制度改革の真の姿だと思う。新大田病院の医療構造を検討しているが、みなさんの知恵と力を借りながらすすめていく決意である。

利用者さんのニーズにこたえる、すずらんの質的強化を
大澤知恵子(すずらん平和島所長)

 今日は介護保険の改訂の内容とすずらんの今後の課題についてお話します。新予防給付という制度が導入されて、要支援1、要支援2の人がこの制度を利用することになります。今まではケアマネージャーがプランをたてていましたが、在宅介護支援センターが地域包括支援センターに名前がかわり予防のプランをたてることになります。要介護1から5の方でも同居の家族がいれば生活援助のサービスが受けられないなどの、制限が加えられています。
 今後、医療法改悪の影響で医療依存度の高いかたが地域に帰ってくることが予想されます。すずらんとしては、そういう方のニーズに応えるために、ケアによって症状が緩和されて利用者さんに心のゆとりや笑顔が生まれるという変化に確信を持ち、そういう経験を積み重ねることで質的な強化をはかります。もう一つは予防の介護です。介護予防のサービスは単価が低いので実施しない事業所も出てきていますが、そういう方のニーズにも応えていきたいと思います。

入居者さんの「やりたい」という気持ちを大切に
橋本雪子(虹の家みちづか所長)

 みちづかも開設して3年目に入りました。現在9名の方が楽しく生活しています。いままで2人の方が症状が和らいで家に帰って生活をしています。認知症は治療法がないといわれていますが、ホームで生活することによって症状が落ち着いてきます。それは「自分のことは自分でやる」という共同生活にあるのではないかと思います。
 掃除や洗濯、料理を共同生活のなかでやることによって、自分の出番があって、みなさん元気になるんだと思います。「何かやることありませんか?」で何かやってもらうと「月給はいくらですか?」と言うんです。私はみんなが何かやりたいという気持ちを大事にしたいんです。
 暮れにホテルで食事がしたいという意見がでまして、品川プリンスホテルで豪華な中華料理を食べ、マイクロバスに乗ってお台場からベイブリッジまでドライブしました。翌日は忘れているのですがその日その日を楽しく過ごすことが大事だと思っています。

ループループ体操と生協音頭の実演発表
畔柳朝子(中延支部)

 私は城南保健生協の健康運動サポーター養成講座を受講しました。今日は中延班、南大井健康班、スペースめおとざかのみなさんで実演発表を行います。ループループはお年寄りから子供までできるチューブ体操器具です。城南保健生協でしか販売していませんので、是非購入してください。個人差がありますので、ゆっくり音楽を聞きながら、一人一人の状況に応じてゆっくりとやるように心がけています。生協音頭は東京都生協連で転倒予防などを目的としてつくられました。各班で普及してください。

共感を持って迎えられる「地域まるごと健康づくり」
渡辺征四郎(鵜の木・雪谷支部)

 一昨年の健康運動サポーター養成講座を修了した4名が相談して地域でどのように展開していこうか考えました。本部としては班会に出向いて指導をしてほしいといういこうでした。日生協医療部会は、地域まるごと健康づくりを本格的に取り組もうと呼びかけています。ですから思い切って地域に打って出ようと考えました。地域にビラまきをして、学校や町内会館を借りて説明会を2回行い、図書館や老人いこいの家にビラを置かせてもらうようお願いしました。今の医療や社会保障の総攻撃に対して草の根から反撃をしていく体制をいかに作っていくのか?これが問われていると思います。
 定員や年齢制限を設けずに希望者を全員受け入れ、年齢に応じたプログラムを編成しました。運動が軌道にのってきましたので、料理教室をはじめることにしました。これで食生活の改善と運動の2本立てで行うことになりました。地域に根ざした健康増進の運動を呼びかければ、共感が得られるのが今の情勢だと思います。これに確信を持って大いに地域に打ってでようではありませんか。

利用者の健康状態にも目をむけながら
名和厚子(大森西・北支部)

 配食サービスが始まって2年が経過しました。利用者は20名前後、ボランティアは10数名で安定して運営されています。昨年の新たな取り組みとしては、敬老の日にお楽しみ会をやりました。利用者と、スタッフ合わせて20数名が参加しました。南部合唱団の元指揮者の方がけやきのボランティアスタッフにいますので、アコーデオンも持ち込んで、本格的なコーラスができました。振り返ってみて大切な活動だと思ったのは、利用者の安否確認です。配達に行った先で真夏なのに窓は閉め切ってぐったりしてらっしゃらることもありました。
 先日は、配食のことで訪問したときに、奥さんの具合が悪そうだったので、かかりつけの病院に連絡をしたのですが、担当の患者でないと往診は受けられないとのことで、ケアマネと連絡をとりまして大森東診療所から急遽、往診をお願いしました。すぐ入院になって、解離性大動脈瘤だったそうです。大手術になったのですが一命をとりとめました。ご主人はとっても感謝してくださってけやきの包丁研ぎにきてくれました。けっこうお役立ちの活動になっているかなと思います。私たちボランティアの中にも調理を担当することによって調理のレパートリーが増えたとか、若い人と一緒に活動することで、若い人からエネルギーをもらっているなど、ボランティアの側も喜んで活動に参加しています。

トリム体操でいきいきライフ
渡辺美代(三ツ木診療所)

 三ツ木診療所では、3階の会議室を健康作りのために利用できないか考えていました。三ツ木地域に住む秋田先生は学校でも講師として長年トリム体操を教えてきたかたで、今回、三ツ木診療所でトリム体操をやりたいと申しあげたところ、快くひきうけて頂きました。トリム体操というのは音楽を聞きながら、リラックスしてストレッチと筋トレを行うのが特徴です。
 昨年の10月3日より三ツ木診療所で毎週火曜日の6時から7時までの短時間ですが、トリム体操を通じて生協に加入される人もいます。みなさん高齢で、肩や膝が痛いというひとが多いのですが、トリム体操をやった次の日は体がほぐれて調子がいいというひともいます。男性の方にも是非参加していただければと思っています。

連携と協同で若者の自立を
森光男(大森西・北支部)

 みつばちは高齢者の支援、お手伝いをしながら自分たちの社会参加や自立をめざしていこうということでスタートしました。コラボ大森のなかで配食サービスけやきのメンバーとして、活動をしています。ほとんどの青年たちが小学校、中学校のときに、不登校の経験があったり、学校を卒業してから家に引きこもっていた経験を持っています。彼らが保健生協の「たんぽぽ」のお手伝いで高齢者のお話を聞いたり、部屋の片付けをしたり換気扇の掃除をすることで、高齢者の気持ちに寄り添って自分の生き方や、つらかった時の思いとかを反芻して自分の成長のバネにしようとしています。
 配食活動のなかで毎回欠かさず参加して調理と配達をしている女性のお母さんから聞いたことですが、けやきのスタッフから厳しく注意され、泣き出したそうです。「叱ってくれるのはおまえを本当に大事にしているからだよ」と家族みんなで励ましたそうです。以前だと落ち込んでしばらく立ち上がれないくらいになるんですが、そのときは笑顔が戻っていました。お母さんは大田の不登校の親の会で「世間が育ててくれているんだ」とその時の経験をお話ししていました。若い人に対して社会の目が非常に厳しいだけでなく、本来なら平和の担い手になるような世代が戦争の先兵にされかねない世の中です。みつばちの活動をつうじて、保健生協の活動が若い世代を大きく励ます力を持っていることを実感させられました。

水泳をとおして仲間づくり、健康づくり
川上コーチ(城南ドルフィン)

 城南ドルフィンに関わって今年で10年目になりました。週3回、品川区の施設を利用して行っています。9割が子どもで、大人クラスも設けています。金曜日は育成クラスと障害児のクラスを作っており、主に自閉症の子どもを中心に受け入れています。4歳くらいから泳ぎ始めてそのまま高校まで泳ぐ子どももおり、中学を卒業したらサブコーチ、そして、メインコーチなって教える立場になるという、長いおつきあいができる、ユニークなクラブです。
 夏の海の合宿をはじめとする恒例行事や、平和についての活動も行っており、毎年原水禁世界大会に城南ドルフィンから子どもも一緒に代表を派遣し、報告会も開催しています。城南ドルフィンは子育て支援が目的だったんですが、健康づくりの一環として大人の水中ウォーキングなども取り組んでいきたいと思います。

憲法25条の精神はどこへ行ったのか!
工藤人喜江(鵜の木・雪谷支部)

 矢口都営住宅築36年の都営団地です。今急速な高齢化が進んでいまして、242世帯の住宅なんですけど、一人暮らしの人が130世帯です。ここ半年のうちに2人の女性が孤独死しました。それから介護を受けているかたも多いのですが、介護保険を受けられるのに制度がわからないために、受けていない方も見受けられます。
 4月から障害者自立支援法がはじまりました。視覚障害者のご夫婦がいるんですが、訪問介護の家事援助が打ち切られました。奥さんは目が見えないなりにそれなりのことがやれるからだめということです。買い物などは近所の人にやってもらえとのことです。憲法25条の精神はどこに行ってしまっているのか、心配な状態です。城南保健生協やうのき診療所が頼りにされる時だと思います。

大気汚染測定の取り組み
野口春子(鵜の木・雪谷支部)

 本日は大気汚染測定大田実行委員会の事務局として発言します。参加団体は21団体です。今回で58回目の取り組みになります。12月の結果は0.054でした。私たちの運動の結果を東京都や大田区に持って行ったりして長年がんばってきた結果、鮫洲の運転試験場の移転や、日本鋪道の移転なども阻止する大きな力になりました。現在、測定運動の目標の一つに東京大気汚染公害裁判の支援活動があります。大気汚染測定とともに、裁判闘争の支援もよろしくお願いします。

多くの人に字を書く楽しみを
宿利周子(豊支部)

 ゆたかの家でスタッフとして食事会のお手伝いをしています。ゆたかの家では食事会のあとに手芸や絵手紙を楽しんでいますが、書道をやってみたいという話が出て、月1回300円でやっています。最初はとても腕が硬くて筆が動かなかったんですが、1年経ちますときれいな線で書かれています。私もいろいろなお手本を用意します。
 96歳の方は「美しく老いる」というのを立派に書き上げられました。本当に美しく老いていきたいという思いが伝わりました。字を書くことは脳の活性化にとてもいいと言われてますし、私も高齢者の仲間ですし私も一緒に活性化しています。私は書家というよりまちの習字屋さんとして一人でも書きたいという人がいれば、出前書道教室もやりたいと考えています。

人権を守り行動する医師を養成するために
野口修二(大田病院)

 新しい臨床研修制度になりまして、大田病院にも安定的に新卒医師が入ってくるようになりました。大田病院の医師研修の目的は、患者さんの生活を知って、患者さんの立場に立てて、患者さんの人権を守るために行動できる医師をいかに養成するかです。これを実現するには病院の中だけでは困難です。保健生協の班会や様々な取り組みに参加して組合員のみなさんと一緒に行動することが求められます。これから、研修医がみなさんのところに、伺いますので宜しくお願いいたします。

未認定の患者さんの救済を
金子幸恵(うのき診療所)

 今大気汚染裁判が山場を迎えています。裁判を起こして10年目になりますが、6月に結審です。東京でも何としても未認定の患者さんの救済を実現させたいと思います。城南保健生協の組合員さんと職員が一緒になって行動できるようによりいっそうのご理解、ご協力をお願いします。

看護師確保の訴え
沢田朋子(大田病院)

 結論から言えば、看護師さんの知り合いをご紹介いただきたいということです。今看護師の数が資料報酬の改定で病院の行く末が決められてしまうようになりました。大田病院も看護師の数を確保していかないと医療の継続が困難になることが予想されています。保健生協の皆さんの力を頼りに、獲得を進めていきたいと思います。法人全体として特別の体制をとっています。情報をいただければ職員が動きますので、ご協力お願いいたします。

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