腹八分


 9月30日大阪高裁で一つの判決が下されました。「小泉純一郎首相の靖国神社参拝は、憲法の政教分離の原則に違反する」という内容が注目されました。裁判を起こしたのは実は台湾出身の高砂族の遺族の方がたでした。戦前台湾は日本の支配下にあり、朝鮮と同じように氏姓を変えられ、そして青年たちは日本の軍隊に組み込まれました。戦死者は英霊として靖国神社に合祀されました。約200万人と言われる合祀者のなかに、約5万人の朝鮮・韓国・台湾の出身者が含まれています。▼日本兵にさせられ、戦死によって靖国神社に祀られてしまったことに、台湾出身者の遺族は納得できなかったのです。遺族は靖国神社の合祀を取り下げることを申し出ましたが、神社に拒否され裁判に至ったのでした。国家のために犠牲になった人々の霊を祀り、感謝の心で参拝するのは当然。これが神社の、小泉首相の言い分です。▼では靖国神社とは何かが問われます。神社の中にある「遊就館」の掲げる歴史観は特異です。太平洋戦争は自衛のための戦争であり、それが欧米列強に支配されていたアジアの国ぐにの解放にも貢献した。というものです。朝鮮・韓国・台湾の人びとの尊厳を奪い、中国への侵略が日本の自衛のためだったという主張です。外国はもとより、日本の特別の感情を持ち続ける人の他には通用しない歴史観です。このような歴史観の持ち主は必ず愛国心をふりかざして靖国参拝に反対を示す人に襲いかかります。愛国とは国と人びとに貢献すると共に、良心を示すことです。

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