腹八分


城南の地域でも東京湾が沖へ沖へと埋め立てられてゆきました。そんな中に大田市場に隣接するところに東京湾野鳥公園があります。かつては大井埠頭の野鳥公園とも呼ばれていました。遠浅の海であったところが埋め立てられ、その後大自然のたくましい生命力は池や草原をつくり、やがて野鳥や水棲の小動物が集まり、都立の公園としてよみがえったのです。▼四方を倉庫に囲まれ道路には大型トラックが行き交います。はるか向こうには東京臨海開発の現状もうかがえます。しかし騒音の中にありながら、公園は緑が豊富で気持ちが癒やされます。平日にはお年寄りの団体や、遠足で訪れた小学生の姿を見かけます。休日は家族連れで賑わいます。園内には田んぼや畑もあってかつての田園風景をしのばせてくれます。レンジャーやボランティアの人もいて案内を乞うことも出来ます。▼しかし園内をまわっていると不充分なところも目につきます。整備の行き届かないところが随所にうかがわれます。園内には何カ所かに分けて観察広場が設けられています。そこには望遠鏡が備えてあり、鳥の動きを観察できるようになっています。しかし心無い人の仕業でしょうが、その望遠鏡が持ち去られたまま放置されているのです。ひどいところでは20機のうち1機しか残っていません。▼近くの内川河口埋め立てに多額の税金を使い、そして臨海開発という名の破壊に都民の血税をつぎこみ続けている、東京都の姿勢がするどく問われています。自然は野鳥公園をよみがえらせました。都民は住民本位の都政をうちたてる時です。

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