シリーズ(1)都政ウオッチング


 今月より東京で起こっている様々な事象を追跡してリポートしていきます。第一回目は都立高校の卒業式について考えてみたいと思います。

 東京都教育委員会は3月31日付けで、君が代斉唱の時に席を立たなかった教師に対して52名の戒告・減給の処分を行いました。このようなやり方に卒業式の主役である生徒達は、どのような受け止めをしているのでしょうか。「校長と都教委にお願いします。これ以上先生をいじめないでいただきたい」(卒業生の答辞の中で)。「僕は天皇を人格者として尊敬し、君が代も歌った。だけど、この強制はおかしい」(卒業生が在校生に向けて)。「先生が処分されるようなら(君が代を)歌います」(3/13付け東京新聞のインタビューに答えて)。「先生が処分されたら署名活動をやってやるか」(都内の定時制高校生)。「僕たちの歌いたい歌を歌います」(式次第が終わったあと、みんなで贈る言葉をうたう)。これらの発言や行動には3年間学んできた母校の教師への厚い信頼関係と、「日の丸」「君が代」については多様な考え方があり、それを認め合おうという柔軟な発想が読み取れます。

 確かに「日の丸君が代」自体に批判的な生徒も少なくありません。しかし全体としてみれば違和感がない生徒も多いというのが現実ではないのでしょうか。異なった価値観を持つ者に強制や処分で応える石原イズムには現場の教師や生徒達は「ついて行けない」というのが本音のようです。ちなみに昨年7月の東京新聞の調査では7割の都民が「日の丸」「君が代」の強制は好ましくないと答えています。

 

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