腹八分


 携帯電話の普及はすざましいものがあります。その持っている機能の発展も驚くべき水準です。一般的な通話として利用する携帯はやはり便利です。しかし機能の発達を追いかけ、携帯がケータイと表現されるようになると、これまでに存在しなかった様々な問題が生じています。▼オレオレ詐欺、現在は振り込め詐欺と名称を変えていますが、その主役はケータイです。出会い系サイトに巻き込まれて法外な金額を請求される事件も後を絶ちません。自動車の使い方を間違えれば凶器に変わるように、携帯が社会の凶器にもなっています。▼さて携帯の値段はというと、一般的には10円から1000円と答える人が多いのではないかと思います。確かにそれぐらいの機種が多く店頭に並んでいます。しかし中には3万円、4万円という物もあります。もうケータイと呼ぶより、ゲーム機です。通話料や使用料もぐんと跳ね上がります。こんな携帯が若者、そして中学生、小学生のあいだにも蔓延しています。そして凶器になり新たな犯罪を準備しています。▼こうした傾向の裏側には、学校、地域、家庭での教育の問題が横たわっているのも事実です。将来を担う子ども達に平等で行き届いた教育を充実させるのは、急務の課題になっています。さらにケータイを市場に供出する側の責任とモラルも鋭く追求しなければなりません。強大になりすぎた日本の財界は政治をも自分の支配下に置き、規制を次々に打ち破り、自らの儲けの論理の道をひた走っています。財界を日本の凶器と狂気にしてはなりません。

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