腹八分


「いも煮会」といえば山形県が有名です。川原で大鍋で作るいも煮は秋の風物詩にもなっています。一年の農作業を終えて収穫の感謝の意味もあるのかも知れません。日常のきつい労働から解放されて思いっきり食べる。恵みをもたらしてくれた大地への感謝と共に、働く人々ねぎらいもあったのでしょう。▼かつてこの城南の地域では「ふいご祭り」盛んに行われていました。鉄製品を扱う工場では、やはり11月のいも煮の時期に火の神様に感謝し自らの労働をねぎらう意味で毎年催されていたものでした。鞴(ふいご)とは、鉄の製錬や加工に必要な火をおこすのに必要な風を送る器具です。かつては、鍛冶屋さんや鋳物工場には必ず備わっていました。鉄を熱し、ハンマーでたたいて形を変え製品に仕上げていったのです。製造工程には欠かせない道具でした。▼現在では工場の減少、そして近代化のためにふいご祭りを続けている事業者はずいぶん少なくなりました。そのせいかどうか、最近は城南の地域でも「いも煮会」が増えています。交流を深めたり、郷里をなつかしんだり楽しみ方はいろいろです。そして主役はやはり里芋です。先日も地域で「いも煮会」がありました。主催者の語るところでは三百個ほどの里芋を準備したそうですが、市場に買い出しに行き、皮をむいてパックに入ったものと泥付きのものと同じ千葉県産なのに値段がかわらなかったそうです。実はパックの方は中国原産で、加工だけが千葉県なのです。勿論泥付きを買ってみんなで皮むきをしました。当然味は最高でした。

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