腹八分

アメリカのドキュメンタリー映画「華氏911」が大変な評判になっています。真実をえぐり出す描写は、当然強烈な政治批判として現れてきます。映画はニューヨークでの9・11同時多発テロ事件を起点にしてアメリカの政治の中枢部、とりわけブッシュの動きに焦点があてられています▼画面の中のブッシュはアウトドア派の遊び好きで、政権を担う大統領としては、かなり凡庸な人物であり、そしてアメリカ巨大資本の利益を擁護するために役職に就いているこんな実態がフィルムから観客に伝わってきます。そしてアメリカの戦争の本質も暴き出されてきます▼著名な日本のジャーナリストが、アメリカの建国以来の歴史は、武力を持ってアメリカ原住民の土地を収奪していったのをはじめ、世界においても侵略の連続であったと述べていましたが、映画はそのことを証明しています。同時多発テロのあと、報復戦争と称してアルカイダの潜むアフガンを攻撃しその後の新政権の担い手にはアメリカ石油資本に関係する人物を据えていることも、アメリカのこれまでの世界戦略と一致しています▼イラク戦争でも「大量破壊兵器」の存在は作り話で、実際にはアメリカの巨大資本の思惑による侵略戦争でした。そして戦地における実際の担い手はアメリカの若者たち。とりわけ有色人種に代表される貧困層の若者たちであることが描かれています▼画面には出てこないけど、日本の政府・首相、そして財界の実態が、アメリカのそれと重なって見えてきます。

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