腹八分

「無礼なことをいうな。たかが選手が」近鉄とオリックスとの合併。一リーグへの移行の動きのな中で、オーナーとの直接対話を望むプロ野球選手会長古田選手の発言に対する、読売巨人軍渡辺オーナーの発言です。ジャーナリスト出身とは思えない暴言です。ナベツネこと渡辺恒雄氏が、現在の日本の言論・報道界を席巻する読売のオーナーであり、熱心な改憲推進派であることもうなずけます。偶然かどうか、日本のプロ野球で球団名に軍をつけているのは巨人だけです▼プロ野球は根強い人気を保ち、選手の能力も大変に優れています。ファンは球団や選手に親近感を持ち、時には自分に重ね合わせてプロ野球を支えてきました。先の渡辺発言は選手ばかりではなく、ファンの心をも傷つけるものです。たかが選手ではなく、大切な選手であり、それを支えるのはオーナーではなくファンだということに思い至らない不遜さを感じてしまいます▼戦前の軍部の独走のなかで、国民はスポーツの喜びを失ってしまいました。若者は鍛えた身体を競技ではなく、戦争という闘争へとかりたてていきました。やがて敗戦。日本はスポーツの分野でも芸術の分野でも有能な青年を失い、長い空白を経験しました▼いまアテネオリンピックを間近に控えています。応援にも熱が入ります。その中で最近とみに報道の中で「大和魂」という言葉が目立つようになりました。ウラに改憲勢力のうごめきを感じます。

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