最近東京都と23区は、区部における都市計画道路の整備方針(案)を策定、発表しました。これにより昭和20年という戦争直後の焼け野原であった時代に計画された「補助34号線」整備計画が、また住民の前に浮上してきました。これまでに何度か実施計画が浮上しては、いつの間にか消滅を繰り返してきた問題です。住民に実施の決意を示さないまま、道路整備計画の青写真だけが残されているのです。計画の浮上のたびに住民はとまどいと不安に晒されてきました。
計画のあらましは東邦医大通りから発して、谷戸交番あたりで京浜急行を横ぎり、大森東中の脇を抜け、貴船神社を分断し、貴船堀公園に至る幅16メートルの道路を通すというものです。行政からの計画の発表はありましたが、何のための計画なのかという肝心の説明は充分ではありません。住民の安全を考えるならば、道路を建設することの他にもまだ方法はありそうです。
充分な説明と住民の合意が得られない計画では、「街づくり」という本来の目的からはずれて自分にとって「損か得か」の判断に判断に傾いてしまいます。そしてこの計画が「街こわし」になりかねません。
計画では由緒ある神社も分断されかねません。氏子にとって神社は心のよりどころです。いま行政はあちこちで学校の統廃合も住民との合意を得ないままに押しすすめています。学校は神社と共に住民のよりどころであり、結束の場でもあります。行政の方針が「街こわし」にならないように、住民の側から充分な説明を求めていく事が大切です。 |