大森中診療所 相談室コーナーより

 新聞報道によれば、全国で生活保護家庭が九〇万世帯になったとのことですが、ちなみに私たちの大田区では八三五〇世帯(一〇八八〇人)になり、実に区民約六〇人に一人が保護を受けていることになります。
 長引く不況で工場や店がつぶれたり、リストラや多重債務で暮らしが立ちゆかなくなって、思いあまって相談にみえます。どうしたらよいのか、わからなくなって来る方、いろんなところで相談してみたがらちが空かなくて来る方、「福祉事務所」に行ったが断られた人など、さまざまです。
先日みえた六八歳の男性は、生活必需品の小売店をしていたが不景気で借金の返済はおろか、食べていけなくなり、店をたたんでしまいました。と同時に住むところがなくなり、仕方なく二四時間営業のコンビニで夜中を過ごして寒さをしのいでいる、今は住所不定になり、ホームレス寸前だとのことでした。
 こんな暮らしのため、体調を悪くして、大田区の生活習慣病健診受けた結果、病気を指摘さっれたが、治療となれば有料になるのでそれができない、どうしたものかという相談です。
 掘り下げて聴けば、いろいろなことがあり、早速一緒に生活福祉課に足を運び、保護の申請をしてきたところです。区ではこの相談者に結婚している娘さんがいることを知り、扶養義務のある娘さんの協力も得たいと言うことで、生活保護には至っておりません。一刻もはやく手をさしのべる必要がある人なのに!
 経済大国日本、一億円の献金をもらった記憶がないとうそぶく元総理、大銀行や保険会社のためならどんな反対があっても郵政民営化の大改革をすすめるという現総理、その影で生活保護費の削減がすすめられています。
(小関 直彦 城南保健生協理事長)

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