乱暴を働く者に対して、さらに強い力をもって押さえ込もうという行為は、世の中では、秩序を守るための一般的な方法です。しかしその行為の背景はさまざまであって、それをしっかり確かめることが常に求められます。成りあがり者に対して「でけえツラするな」こんな風なセリフを吐いてリンチを加える。こんな暴力団まがいの行為は許せるものではありません
しかし世の中には、力が正義であるかのような思い上がりがそこにあります。アメリカ・イギリスのイラク攻撃にそれが当てはまっていると感じている人も少なくありません。日常の中でも力の正義は、はびこっています。青少年の非行の問題でも、力によって押さえ込もうとする流れがあります。もともと少年たちの非行の温床は大人世界が準備したものです。力で少年たちを押さえ込もうという勢力には、そのような認識が欠けていると共に、大人世界自らに存在する、男女差別やリストラ、その他の非行に目を向ける勇気を持ち合わせていません
最近、東京都の知事が治安の維持を考えて、現職の警察官を副知事に据えることになりました。もともと力の正義を信奉するタイプの人物ではありましたけれども、知事の配慮には疑問が残ります。治安を悪くしたその背景の解明にどれ程の論議をしたかも不明です。総理大臣になろうとしたこともあったようですが、かなわないとなると撤退してしまった人物でもありました。力の正義の弱さを証明したわけです。 |
