腹八分
国の中心が定まらなくなってくると「罰則主義」がはびこってきます。国政の自信の無さの現れとも言えます。かつて軍隊や教育の現場にも罰という脅しによる支配が横行していました。いづれも内部、特に支配層の側に矛盾と腐敗が広がり、崩壊への道をたどりました。

▼今、歴代内閣のうちつづく失政の中で、新たな貧困、そして新たな罰則主義が広がってきています。最近、財界の集合体である日本経済団体連合会の会長の任にある人物の発言の中で、国民年金の保険料の滞納者には、運転免許証を交付すべきではない、という発言がありました。

▼収入に比べて保険料の負担は決して楽ではありません。さらに受給も年ごとに低下しています。国政とともに、国民の就業に責任のある財界の経営の停滞が、保険料の負担をいっそう高めているのが現実です。自らの責任を罰則によって乗り切ろうという姿勢です。この会長は政党に対する企業献金の窓口をさらに広げようとする発言もしています。まるで江戸時代のワイロ政治です。そしてその根幹には、国民を収奪の対象としてか見ていない前近代性があります。

▼今度は政界のほうから塩川財務相の「年金の給付は生活保護世帯なみの給付に引き下げるべき」という発言が飛び出しました。その根底には現役を退いて生産の能力を失った者には、保護は最低限度まででよいという政策が隠されています。高齢者をよけい者とみなし、それに対する罰則とも言えます。罰則主義はやがて自らに腐敗と矛盾を深め、やがて崩壊に向かっていくことを知るべきです。

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