あけましておめでとうございます
まちづくり 健康づくり 新春・ユメを現実に 座談会

 

植田専務理事

 司会 明けましておめでとうございます。城南保健生協の専務理事をしております植田です。本日は安心して住み続けられるまちづくり運動を今年各支部でどのようにすすめるか?みなさんに大いに夢を語っていただきたいと思います。まずは自己紹介かたがた語っていただきたいと思います。
 海老根 馬込支部の海老根です。
9年前から馬込の商店街で青空健康チェックを続けています。
商店街からも歓迎されていますし、地域の方からの相談ごとが持ち込まれることもあります。
 古口 豊支部の古口です。四年前に民間の製造会社を退職してゆたかの家をつくるために運営委員に参加し、同時にホームヘルパー2級の講習を修了しました。ゆたかの家の開設は二〇〇〇年4月ですが運営責任者として活動をしてきて、今年から保健生協の理事をやっています。
 大澤 すずらんの所長をやっています。理事として助け合いまちづくり委員会の委員長をやっています。

ゆたかの家で今年の夢を語り合いました

 司会 私も一応自己紹介をします。もともとは保健所の検査技師をやっていたのですが、大気汚染運動に関わるなかで、大田病院の工藤先生(現日本医科大学教授)とも知り合い、大田病院に入職し、現在に至っています。ひととおり自己紹介してもらいましたが、みなさん去年一年間を振り返ってどんな特徴がありましたか。


助け合い・まちづくり運動の内容が充実した一年。

まちなみチェックにも足を踏み出す。

 古口 去年一年間のゆたかの家の活動を振り返ると大きく分けて3つあげられると思います。
 一つは助け合い活動の内容が充実してきて、ゆたかの家の運営費の一翼を担えるようになってきました。例えば、患者さんの送迎、高齢者のふすまや障子の張り替えとか一般的にやってきた事以外のことも出来るようになりました。新たに食事会以外に配食活動もやりはじめました。これは東京都社会福祉協議からの助成を得て電動自転車を購入し、当初目標だった週一〇食に近づいています。
 二つ目は今までの活動の紹介を活発におこなったことです。民医連の各種交流会での発表をとおして、ゆたかの家の活動への理解が広がり、講師、講演の依頼、見学の受け入れがふえてきました。最近では、代々木病院の友の会がバス一台を借り切って見学にみえました。
また城南福祉医療協会の3年目5年目研修の講師を2年連続行っていまして、後継者対策、若手の育成にも力を発揮できたのではないかと思います。
 三つ目はおかみさんの日の青空健康相談、食事会のあとの絵手紙、手芸教室など、日常の地道な活動を継続的に行えたことではないでしょうか。

海老根さん

海老根 馬込では、馬込と鵜の木にヘルパーステーションすずらんの事務所計画が打ち出され、それを受けてゆたかの家を見学したり古口昭代さんに話を聞いたりして、馬込地域ではどのようなことが出来るのか、話し合い、今場所探しをしています。、支部委員会のメンバーは地域で新婦人、町会、他団体の活動をしたり、ヘルパーさんもいるので、いろいろな意見が出て話が深まります。
 今まで馬込地域に民医連の診療所をというのが、委員会の願いだったのですが、はじめて馬込地域で事業展開が現実のものになるということで、みんなの励みになっています。

キーワードは健康づくり。

利用者さんは健康で長生きしたいとみんな思っている。

ゆたかの家食事会

 大澤 介護保険の利用者さんの状況をふりかえってみると、医療費の自己負担が上がった、都営住宅非課税世帯の人でも自己負担が発生している。難病・身障の制度が後退したために、自己負担が発生するなど出るお金は増える一方で入るお金は減っています。利用者を取り巻く状況をみても家族のリストラや仕事がなくなるとかよく見えた一年でした。
まちづくりing交流会に参加したり、まちなみチェックに参加したりしてまちづくりということの重要性について考えさせられた一年でした。
 すずらんも事業が大きくなって利用者は一ヶ月に330人をこえています。そこでいいサービスをすることをがんばってやってきたけど、もうひとつ介護予防、病気の予防、すなわち健康づくりが非常に大事だと感じました。やはり利用者さんは健康で長生きをしたいという願いをみんな持っていて、自分のことは自分でやれる体でいたいと思っているわけです。そのために何がやれるのか、もっと考えていけたらと思っています。
 司会 去年の総代会のテーマ「安心して住み続けられるまちづくり」ということが地域の中で目に見える形で動き始めたかと思います。豊支部を皮切りに六郷、大森西、鵜の木でも行いました。
青空健康相談会も数が増えました。初めてやった梅屋敷商店街でも商店会長さんが喜んでくれて月一回行うことになりました。
また、理事の補充も行いましたが、新しい理事の方が奮闘が目立った一年でした。
このような前進点をふまえて今年一年どんな活動をやっていくのか、語り合いたいとと思います。

馬込・鵜の木地域にすずらんの事務所を。

年をとっても自分の役割を発揮できる場づくりの拠点に

大澤所長

 大澤 是非、馬込にヘルパー派遣事業が出来てまちづくりのたまり場になるようなところが出来ればと思います。
 司会 馬込の家ですか?(笑)
 古口 名前も新しくね。皆さんが来て楽しめるようなそんな名前にしたほうがいいかな。(笑)
 大澤 あと鵜の木にも。どう作っていくのか、地域の人たちが何を望んでいるのかと言うことが前提になると思います。
行って何かお世話してもらおうという感覚は違ってきています。年をとっていても自分がそこにいて自分の力を発揮できる場所をどうつくるかということが重要だとおもいます。たとえ障害があるとか痴呆があったとしても、自分の役割を発揮できる場に行こうという気持ちを大事にしたいですね。自分はここまで出来たんだと確認できる場所というのが求められるし、街全体が、そういう発想で変わっていかなきゃと思います。

古口さん

 古口 通常のデイサービスが合わずにゆたかの家を紹介され、月に2回来ている方いました。絵が好きな方で、ゆたかの家でも絵手紙をやっていたのでされその人の要求も受け入れながら食事会以外にも参加していました。その点では家族の人も感謝してもらえました。
ゆたかの家では必ずしも大澤さんが指摘されたようにはなっていません。
 食事をつくるのは、ボランティアだけで作っています。やはり食事会の参加者も一緒に食事づくりの一端を担うとか、買い物をするとか、ボランティアの人も楽しいし、参加するひとも自分自身が何らかの役割を担っているという事を実感出来る場所にしていかなければとわれわれ自身も思っているんですね。ただ食事を食べて一緒に話をするだけではまだまだだと思います。それはそれで楽しいのですが。

保健生協ならではの憩いの場づくり

何かしてあげるのではなく「共に歩む」姿勢が大切

健康体操

 海老根 いまおっしゃられたこと、本当にそうだと思います。保健生協ならではの憩いの場所は何か、古口昭代さんに言われたことが耳に残っているんですね。保健生協の良いところは、自分たちが主人公で、こんなことがやりたい、だからこういう風にしたい、そんな思いを抱いて計画の段階から加われるし、食事会にしても皮をむくのが得意な人もあればかたづけが得意な人もあるし、やったらみんなが喜んでくれる。そのことが、自分の生きがいというか存在意義を確認できる貴重な空間をつくりあげることになるんじゃないでしょうか。
 母がしばらくの間歩けなくなった時がありました。私がいろいろ手助けしようとすると逆に、「あんたいいから帰りなさい。」と言われました。歩けない人イコールお世話をされる人と単純に思ってしまったことが「自分で出来ることは自分でする」という母の誇りを傷つけてしまったんです。何かをしてあげるのではなく、共に歩むという姿勢が大切だと気づかされました
まちづくりということを考える場合、自分が七〇代八〇代になったとき、どんなまちになっていればいいかという視点を持たないとだめだろうなと思います。
 古口 一定の段階まで来たゆたかの家ですが医療生協のボランティアはどうあるべきなのか。そのことを考えていかないと広がっていかないと思います。高齢者だけでなく、せっかく集いの場があるわけですから、子ども、若い主婦なども視野に入れた活動を行う必要があると思います。今までも子ども保健学校、健康相談を行ってきましたが、地域のさまざまな要求にこたえる活動をしたいと思います。
 司会 去年グループホームの設立の応募に立候補しましたが、残念ながら選ばれませんでした。しかし、依然としてグループホームの要望は強いものがありまが。

要望が強いグループホーム

高齢者をどう捉えるかきちっとした勉強が必要

まちなみチェックにGO!

 大澤 グループホームを考える場合に痴呆の介護ということになりますが、手を出さないで目で見て介護をするというか、きちっと観察して声かけしたりして、生活を援助する。その方が痴呆の進行はくい止められるし介護をする人もイライラしないで温かく介護できると私は信じているのですが。痴呆の介護の実態はなかなかそうはならないために、悪循環になっているようです。
特に痴呆があると介護者が大変なので特養へ老健施設へというパターンが多いのですが、軽度
中度痴呆の方の場合には、そこに行ったからといって介護者は楽になるかもしれないが、本人は良くなっていくかというと、必ずしもそうではないと思います。
 グループホームを作る場合に作る主体がどんな理念でやるのかによって、ものすごく内容も違ってくるというのが交流会に参加してよくわかりました。
費用の面では利用者の負担が多いところもあります。ただ、地域に根ざして地域の支援を頂くと運営面では楽になるようです。
大事なのは、高齢者の見方とか、高齢者をどうとらえるのか、ということの勉強をきちっとすることです。
 司会 そろそろ時間になりましたが最後に言い忘れたことはありませんか?

「まちなみチェック」を全地域で

まちの様子を五感でとらえることができる

まちなみマップ(大森西2丁目)

 大澤 まちなみチェックをやってみて感じたんですが、要求アンケートで住民の要求を集約するやり方もいいのですが、実際に町中を歩いて五感で感じ取ることの大事さがよくわかりました。言葉で聞いたわけではないのですが、「ここのまちはもっとこうありたいと思っているじゃないかな」ということが直感的にとらえる事ができるんです。
 もう一つはすずらんがやってきたことは高齢者の介護ですが、別の側面として、職を失っている人の働く場所を広げたという部分での貢献度も見逃せないと思います。失業したり働く場所を失った人がホームヘルパー養成講座を受けて、働きたいと来所した人にはできるだけ仕事を回すように努力してきました。今後の事業展開でも働く場所の確保ということも考慮に入れる必要があるのではないでしょうか。
 司会 夢は語りきれないと思いますが、今年厳しい医療情勢を跳ね返していって安心して住み続けられるまちづくりのために、みんなで知恵とちからを出し合いましょう。本日はどうもありがとうございました。



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