◆あなたは本当に太っています?
若い人は痩せていても、痩せようとして貧血になってしまうこともあります。本当に太っているかどうかを表す時に自分の身長と体重を使って肥満度を出します。 体重(kg)÷(身長(m)×身長(m))=体格指数(B.M.I)。体格指数というのが、いわゆる肥満度です。一般にB.M.I値が22だと病気になりにくい標準値と言われています。よって自分の標準体重を知りたいときは、身長(m)×身長(m)×22の式にあてはめると出てきます。 <計算例>身長160cm体重60kgの人の場合 B.M.I 60÷(1,6×1,6)=23,4 標準体重 1,6×1,6×22=56,3になります。健康診断の時に自分で計算してみましょう。
◆2つの肥満のタイプ
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、肥満には、2つのタイプがあります。 「りんご型肥満」は内臓に脂肪がついていることが多く、高脂血症などの成人病になりやすいタイプで要注意です。「洋ナシ型肥満」は健康上あまり問題はありません。
では、1日にどれだけのカロリーが必要なのでしょうか?多すぎれば肥満につながりますし、少なすぎても体に良くありません。1日に摂取する必要カロリーは、標準体重と生活活動量(どれだけ体を動かすか)で出します。生活活動量は一人一人の属性(年齢、性別、労働、疾患の有無、日常生活スタイル等、)を加味して医師が算出します。
例えば、標準体重が52kgの40歳の女性で仕事を持って普通の日常生活を送っている人なら52kg(標準体重)×35kcal=1820kcalが1日に摂取する必要カロリーとなります。
ですから、自覚症状がなくても職場の健康診断や区民健診を受け、自分が1日に摂取する必要カロリーを知っておく必要があります。
◆バランスよく食べる工夫
次に1日に摂取する必要カロリーを守ることと同時に、バランスよく食べる工夫というのが大切になってきます。必要カロリーをごはんやパンなどの炭水化物だけで補っても健康な食生活とは言えません。
以下、具体的な方法と注意点をあげておきますので、試してみてください。
[1] 主食、主菜、副菜を組み合わせて食べる。
主食=ごはん、パン、めん類など
主菜=魚、肉、卵、大豆製品など(1食分は魚1切れ、肉80〜100g、卵1個、大豆製品(とうふ半丁)のどれか1品、プラス少量)
副菜=野菜、海草、芋など(野菜は1食あたり100g以上。海藻、きのこ、こんにゃくはノーカロリー)必要カロリーは主菜、副菜をベースにして、主食で調節します。
[2] 油料理は控えめに
1日大さじ1杯(10g)の油脂。(体の大きい人、活動量の多い人は1日20g)・・・炒め物、肉などを焼くのに使いましょう。かき揚げ、とんかつ、天ぷらは大さじ2杯(20g)以上の油を含んでいます。
* マヨネーズ、ドレッシングは要注意。マヨネーズが好きな人は酢やレモン汁でのばしたりするとカロリーが低くなります。
* 油を使った料理は、朝または昼食に食べましょう。夜は寝るだけなのであまり必要ありません。
[3] 間食を工夫しましょう
菓子類や糖分入りの飲み物は控えましょう。特に夕食の後は口にしない方が良いでしょう。果物(りんごなら1個)と乳製品(牛乳なら200cc)をめやすにしましょう。
砂糖は脂肪になりやすいため、間食を控えるだけでも減量につながり、成人病予防につながります。
[4]アルコールは控えめに。つまみや飲んだ後のラーメンなども要注意。
アルコール類は全てカロリーがあります。(ワインや焼酎が体に良いとは言えない。)
[5] 外食の注意
外食は1日1回程度にしましょう。
野菜などの具が多い物を選んで(きつねうどんよりも鍋焼きうどん、ラーメンよりもタンメン)
付け合わせのポテトやスパゲティー、マヨネーズなどは残す。
[6] 減塩に心がける
*塩分があると主食(米飯)を食べ過ぎがちになり、他の食品が少なくなり栄養のバランスが崩れやすくなります。漬け物、佃煮、塩蔵品(たらこ、すじこなど)、干物類、練り製品は控えめにしましょう。また梅干しが特に体にいいというわけではありません。但し食欲が出るので、食欲のないときや朝食には良いかもしれません。
*新鮮な材料を使い、香辛料、酸味(ゆず、レモンなど)を利用してみましょう。
化学調味料、インスタント食品はナトリウムを多く体に取り込むことにので注意が必要です。
[7]食事日記をつけてみませんか?自分の食生活を見直すことが出来ます。
メモ程度でかまいません。口にしたもの全部を書き出してみると、無意識のうちに食べていることがよくわかります。
[8] 毎日続けましょう
生活リズムをきちんとすることが食生活を良くしていくことにつながり、長く食事に気をつけて生活することが出来るようになります。「○日間がんばる」といったやり方は、やせてもリバウンド(元の体重に戻る)しやすく体にも良くありません。
また、健康のためには食事だけでなく運動する、できればタバコは吸わない、ストレスをためないなどの様々なことが関わっています。
次回は「食にまつわる民間療法」のウソ・ホント?!というテーマでお話しをします。
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